Happy birthday to you ! - Almost in Dreamlike
上記の記事でも書いたとおり、子供が生まれたわけですが、その命名についてはかなり悩まされました。
しかも、悩みに悩んで私たちが決めた名前は、一部では反対も受けてしまいました。
問題がないと感じる人たちから見たら、「そんなに反対するほどのことか?」と思うことでも、問題を感じる人から見ると「ありえない」とまでなるようです。
親の想いと、子供にとっての社会性のバランスが大事ですが、その社会性も子供の時代には変わるかもしれません。
そう言ったことをさんざん考え、そして多くの意見を頂き、自分なりにいろいろなことを考えてみました。
というわけで、以下はうちの子の名前の話ではなく、今回考えさせられた命名に対するリスクをまとめてみました。
名前をつけるときに、いわゆるDQNな名前などにならないようチェックするための思考フローチャートです。
① 「当て字を使用しているか?」
これは、「月」と書いて「ライト」と読ますような特殊なものから、「心音」で「ここね」と読ますような「近いながらも、そう読まない漢字」も含みます。
ただし、「玲奈」で「れな」と読ますような当て字は、すでに「当て字」としてほとんど認識されていません。
今ですと、PCのかな漢字変換の一般的な辞書に登録されているような名前ならば、ほとんど気にしなくてよいでしょう。
②「当て字に無理がある」
ここでは、「月」と書いて「ライト」と読ますような「まったく読みとはかけ離れた読ませ方」をするものを無理があるとしています。
「利音」で「りのん」と読ますような多少強引な名前は、ここでは無理がないとしています。
③「文化的名前漢字以外を使用しているか?」
文化的名前漢字というのは、ここで便宜上そう読んでいるだけです。
要するに、むかしから名前の漢字として一般的に使用されている文字であるということです。
例えば、「刹那」という名前があったとき、「刹」はこれに含まれません。
ただし、これは「文化的」とある通り、文化を理解できない幼い子には境界線が曖昧になる危険性があります。
大人にとっては「文化的」な漢字であっても、子供にとっては単に変な意味の漢字にしかならない場合もあるということです。
また、時代により文化はかわりますので、例えば将来的には「刹」という字が含まれるかもしれません。
④「一般性が高い名前か?」
例えば、その名前が自分のまわり、もしくは知人の知人にいるなど、よく聞く名前を一般性が高い名前としています。
今ならば、ググった時の検索結果が目安になるかもしれません。
これは、「珍しい名前は目をつけられやすい」というリスクを考えています。
例えば、「美子(よしこ)」という名前を聞いたときに、ほとんどの人がその名前の意味を気にしないでしょう。しかし、珍しい名前の場合は、名前を聞いた相手が名前について気にする場合が高くなります。
これは次のリスク要因に引っかかりやすくなる
⑤「その他のリスク要因を含んでいるか?」
以下の1つにでも当てはまる場合は、Yesとなります。
・漢字に縁起の悪い文字を使っている。
・読み自体が縁起が悪い。
・偉人や有名人の名前にちなんでいる。
・変な読み方ができてしまう。
・変な意味に取れてしまう。
・あまりにも非常識な名前である→この場合はEへ
A) リスクのない名前
まったく心配する必要がない名前です。
その名前でいじめられることもないでしょうし、名前で困ることもないでしょう。
しかし、特徴がある名前ではありません。
B) ほぼリスクのない名前
基本的には問題がありませんが、少し珍しいために、名前の意味を尋ねられたり、変な読みや変な意味の漢字などを使っているといじめられる原因となるかもしれません。
また、偉人の名前などによるプレッシャーなども場合によっては子供に発生します。
しかしながら、基本的には気にすることがなく、大人になるほど問題にならないでしょう。
C) 場合によってはリスクが発生する名前
珍しい漢字などを使ってしまうため、読み方に困ったり、意味で困ったりするかもしれません。
また、必然的に目立ってしまうので、いじめの対象として目につきやすい可能性もあります。
その漢字が文化的にどのように受け入れられるかによって大きく変わっていきます。
D) 確実にリスクのある名前
読めない、あるいは少しおかしい名前になることがあります。
これにより、命名された子供にストレスがかかることがあります。
このような名前をつけるときは、かなりの覚悟がいるでしょう。
少なくても大きく発音が変わらない名前であることが救いかもしれません。
できることならば、つけない方がよいかもしれません。
E) ありえないと言われる名前
もう名前としては、社会的には絶対に認められないレベルです。
リスクというよりは、社会に対する挑戦となるでしょう。
●考え方1:よりリスクの少ない名前を選べ
これは、親としての先輩であるNobichan氏からうけた助言、そして数人の方からもあった意見です。
どうせ名前をつけるならば、よりリスクのない名前にするべきというものです。
親の思いもありますが、「リスクのない名前の中で親の思いがこもったものを見つける」ということになるでしょう。
つまり、上記の図でいうとAの名前にするべきです。
この理屈からいうと、Bは入らないことになりますが、Bもぎりぎり許容ではないかと思います。
●考え方2:親の想いと社会性のバランスをとった名前を選べ
これは、私の考えです。
親の想いが必ずしも、Aに現れるとは思えません。
多少のリスクを考えても、親の想いを重視すべきです。
ただし、親の独りよがりではいけませんので、子供が社会に出たときに「絶対に悲しい思いをする」ような名前ではいけません。
図では、A~Cの名前だと思っています。
●考え方3:親の好きな名前を選べ
子供の命名は、親が子供に与えるもっとも最初のプレゼントですから、親が自由に決めるべきだという考えです。
これなら、なんでもいいことになります。
ですが、個人的にこの考え方はないと思います。
※最後に
今回のことで一番おもしろかったのは、「文化的名前漢字」です。
要するに、この漢字を使った名前は、あまり漢字自体の意味など考えられないということです。
例えば「安」という字を名前でもよく使われますが、読み方によっては「安い」とも取られてしまいます。
でも、わざわざ悪い意味で誰も解釈しません。
また、本当は悪い意味しかない漢字でも、今まで名前に使われてきた文化があるならば、そのことをみんなあまり気にしなかったりするのです。
しかし、今まで名前に使われていなかった漢字を使用すると、これが一転します。
イメージ(第一印象)次第で悪くしかとってくれない場合が出てくるのです。
なぜか「名前なのだからいい意味だろう」というような名前文化的な思考におよんでくれなくなります。
逆に言えば、「考えて理屈をつけないもの」が「文化的なもの」であり、「考えて理屈をつけてしまうもの」が「文化的ではないもの」なのかもしれません。