仲はそれほど悪くないと思うのですが、私が理屈っぽいせいか口げんかをよくする我ら夫婦。
ただ、この時は「けんか」というわけではなく、意見が単に割れたというべきでしょう。
最初から思っていたとおり、私には家を買う資格がありませんでした。
大した貯金もなく、社会的信用も低く、きちんとした資金計画や将来性があるわけでもありません。
「買える」と舞い上がってみたものの、やはり現実がきちんと改めて教えてくれたわけです。
もちろん、2,000万円そこそこの家なら私でも買えたでしょう。
それで満足のいく家が手にはいるなら、借金しても頑張る意味はあるかもしれません。
しかし、不満を感じる安い家を無理して買うことに何の意味があるのでしょうか。
自分の家を持てば、固定資産税も発生するし、家のメンテナンスも考えなければならず、どんどんお金がかかります。
それならば、そこそこの借家暮らしで借金のないきれいな身(笑)で生きていった方が楽でしょう。
だから、資格がないというより、私自身は「買うべきではない」と思っていました。
しかし、栞御前は違いました。
私は上記のような自分の意志を説明しました。
そして、「買うのはやめよう」と提案しました。
だけど、すごい顔でふてくされてしまい、ここに来ても御前は家を買うことをあきらめられないのです。
「別に建売でもいいし、新築じゃなくても中古でもいい」……とにかく欲しいというのです。
考えも甘いし、そんななんでもいいみたいな感じで無理して買って何の意味があるんだと、何度も意見を言ったのですが、なかなか聞く耳を持ちません。
これでかなりもめました。
そして話し合った結果。
欲しいのも御前だし、私より金が借りられるのも御前。
ならば、「欲しいなら御前が自分で家を買えばいい」ということになったのです。
もちろん、生活に関しては協力しますが、今後の話はすべて御前が中心で話を進めること。
私は保証人になりますが、合算ではだしません(というか、申し込み予定の銀行で、私は通らなかったので出せなかったのですが)。
つまり、「欲しいなら買えば?」みたいな話(笑)。
ただし、チャンスはあと1回だけ。
次に紹介された物件が気に入らなかったり、審査が通らなかったりしたら、もう家の購入の話は今後一切なし。
この時点で、実は今の家を2年間だけ延長しても良いという連絡が入ってきていたのです。
そこで、購入の話が立ち消えた場合は、2年はまた同じところに住むことにする。
これが条件でした。
この条件で、しぶしぶですが御前も納得しました。
この話はすでに6月の話です。
我々の今後を決める時間ももうなかったことをさすがに御前もわかっていました。
これを決めて数日後。
不動産屋から、また連絡がありました。
そう。
ラストチャンスとなる物件の紹介をするというのです。
実はこの時、私は1つでも今まで紹介された物件のより悪かったら反対するつもりでした(買うのは本人ですが意見は言いますしね)。
もちろん、もうフリーオーダーなんてことは望んでおらず、建売なので構造の細かいところは文句を言うつもりはありません。
ただ……
・駅から徒歩15分圏内。
・バス停徒歩2~3分以内。
・4LDK。大型収納有り。
・30坪以上。
・駐車場2台以上。
・日当たり問題なし。
これだけはキープしようと思っていました。
特に、この中でも15分圏内というのがけっこうきついかもしれないと予想していました。
うちの最寄り駅で15分圏内だと、だいたい2,500~3,000万円の範囲になります。
土地単価40~55万円/坪。
50万としても、1,500万。建物が1,300万としたら2,800万です。
中古で建物価値がすでにないような物件だと、逆にその手の古い物件は土地が広くなるので40坪以上。
するとだいたい2,000万円台前半ということになります。
これも坪数をぎりぎり30坪で考えた場合ですが、30坪ぴったりだと車2台の駐車は難しいかもしれません。
いくら私より多く借りられると言っても、御前の給料はたかがしれています(笑)。
だから、「無理だろう」と実は思っていたのです。
まさか、あんな物件が来るとは思いもしなかったものですからね……。
(つづく)
佳境に入っていますね。
返信削除そうなんです。買いたいときにより、借りれるときに買う。
私も実感した言葉です。
続きが気になります。ドキドキ★
次回、このタイトルでの最終回になります。
返信削除お楽しみに!(笑)