2010年3月20日土曜日

「アクセル・ワールド」レビュー


仕事に数ヶ月の執行猶予が就いた概夢です。


いやはや、私の人生、いつもこんな感じ......。


 


それはともかく、今回は友人に紹介されたものではなく、店頭で流し見をしておもしろそうなものを買ってみました。


と言っても、「電撃大賞」受賞作品なので、出来映えは保証されていると言えるのかもしれません。


 


まず、いつも通り総評。


そつなくおもしろい。


文章が読みやすく、とくに引っかかるところもなくするすると読まされてしまいます。


展開もよく、飽きさせません。


このあたりは、さすが大賞作品だと感じられます。


とにかく文章は、最近読んだ中では一番です。


逆にそのため、個人的定義のラノベからベクトルがわずかにずれている気もします。


「台詞に頼らない書き方」は、これはこれで私は好きなんですけどね。


最近のラノベのさらなる軽量化の流れから見てしまうと、重量を感じるでしょう。



 

ストーリーの大筋は、黄金パターンを周到。

かわいい幼なじみがいるダメな主人公が、運命の女神と出会って人生を変えていく話です。

ただ、「加速」という考え方は新しいのですが、それ以外はこれといった目新しさはありません。

尖っていないからこそ安定しているのですが、尖っていない作品は「はまる!」という風にはなりにくい傾向にあると思います。

おもしろくて続きを読ませる力がある作品なのですが、「これが一番好き」にはなりにくい作品に感じます。

 

なお、唯一気になるのは、ヒロインの主人公に対する恋愛感情。

ほぼ一目惚れに近いのではないかと思うのですが、どうにもちょっと付いていけない。

表現的にはそれらしい態度(伏線)を見せて、そして告白でスムーズなのですが、そもそも伏線で納得できない感じがあります。

もう少しヒロインの感情の初期の揺れが表現されていても良かった気がします。

 

それからストーリーではなくイラストですが、もう少し鋭角的なラインのイラストの方が良かったのではないかと思います。

主人公はまだしも、ヒロインのイメージに合いません。作者が最後に書いていたイラストの方があっている気がしますね。

 

細かいことは別にしても、読みやすく万人に薦められる秀作だと思います。

SFチックな設定なのに、どこかノスタルジックな展開が楽しめることでしょう。

時間のある方は、読んでみると良いと思います。


7 件のコメント :

  1. 同じ作者のソードアート・オンラインのほうは、MMORPGを題材にしてるので読んでるけどこっちは読んでないや(*'-')

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  2. エクセル、ワードに見えてしまった。

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  3. そっちにもちょっと興味があるのですが、どんな感じですか?

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  4. ちなみに「アクセル・ワールド」は、オンライン格闘ゲームと言えるかもしれません。

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  5. 見た目的には「アクセス、ワード」で、読み的には「エクセル、ワード」なんですよね(笑)。

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  6. ヴァーチャルリアリティー型MMORPGにログインしたら、クリアするまでログアウトできません、キャラが死んだらプレイヤーも死にます、って感じのストーリーです。
    元々ネットで連載してたらしいけど、中々面白いですよ。

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  7. 思い込みですね。それしか見えないのは怖いです。

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